【姫路】明日香 月ヶ瀬店

ここにはかつて「月ヶ瀬」という喫茶店があった。
戦後まもない頃にできたその喫茶店で、姫路の人は待ち合わせをし、
文化談義を交わし、泣き、怒り、笑った。
長年の間街の中心街でいくつもの感情を見守り続けていた喫茶店。
そんな姫路の守り神も今から3年ほど前、ついに最後の日を迎えた。

ここもなくなっちゃうのか…
誰もが肩を落として諦めかけていた時、嬉しい誤算とも呼べる出来事が起こった。

神戸を中心に展開しているカジュアルレストランチェーン「明日香」が
この場所の新たな主として手を挙げたのだ。

話はまだ終わらない。
通常、店舗の名称は地名をつなげて
「明日香 加古川店」や「明日香 西神春日プラザ店」というものになるが
この店の新たな名前はこうなった。

　「明日香 月ヶ瀬店」

かつての名店に敬意を表し、名前を残したのだ。
街の人々にとっては愛着のあるその名前。
永遠に変わらぬものはないけれど、そこに残る魂は継承されていく。
こうしてかつての月ヶ瀬はバトンタッチを果たし、新たな歴史が幕を開けた。

カジュアルレストランと冠するだけあって食事のメニューが好評だ。
特筆すべきは「アーモンドトースト」。
姫路を発祥の地とするいわゆるご当地グルメで、市内の多くの喫茶店にこのメニューがある。
アーモンドペーストが厚切りのトーストにたっぷりとしみ込んでいて
コーヒーによく合う、まさに「喫茶店でいただきたい地域限定メニュー」だ。

純喫茶保存協会・オフィシャルtwitterアカウント

https://twitter.com/junkisser
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