【浜松町】モト

世の中に数ある喫茶店の中には「ツタにおおわれた喫茶店」というものがある。

これらは喫茶店に於ける一種のジャンルを確立しており
かの有名な天空の城に似た様相から
それらの店は「ラピュタ系」と呼ばれている。

熊谷のK、虎ノ門の般若、行徳にあったブラジルなどなど。

その中のいくつかのお店は人の手を離れツタに覆われつづけ
はるか天空へと姿を消したのか今はもう、ない。

こちらのモトさんもそんな「ラピュタ系」喫茶店の一つだ。
歴史の重みがツタとなってモトさんを守っている。

ここ浜松町はどちらかといえば下町で
何となく昔からありそうな建物やお店が今も残っている町です。

しかし現代化の波は確実にゆっくりと訪れており
かつてこの町で暮らしていた知人が言うには
「町並みがすっかり変わった」そうです。
現在の姿しか知らない我々には分からない違いを感じるそうです。

夕方、路上にチョークで絵を描いて遊ぶ子供たちと豆腐屋のラッパ音。


かつてこの町ではそんな昭和を象徴する場面が見られたそうです。
今ではそんな場面はお目にかかれません。
夕方に路上を行き交うのはもっぱらサラリーマンばかりで
住民の姿はあまり見られません。

数十年のあいだに浜松町は「一軒家が立ち並ぶ宅地」から
「中小企業が集まるオフィス街」へと変わっていったのです。


そんなわけでモトさんのお客さんはサラリーマンの方が多いです。
疲れた体を優しく包むビニルの座席は商談・密談にぴったり。
そこここには骨董品もある、付近の会社の臨時応接室としても機能しています。



平日の浜松町と土日の浜松町は様子がまったく異なります。
土日はサラリーマンがいないため静けさがより感じられると思います。
東京タワー見物のついでにでも歩いてみてはいかがでしょうか。
















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