【福井】琥珀

エキナカ」という言葉が使われ始めて
駅の構内に様々な飲食店や衣料品店がひしめくようになったのはつい最近のことだ。


それまで駅といえば単に電車が止まるためのものでしかなく、
店舗といっても弁当屋や土産物屋がせいぜいのところだった。

その傾向は地方に行くとより顕著で、駅の利用者は駅の中で用事を済ませるというよりも
駅の近くの飲食店や喫茶店で時間を潰して、列車が来れば乗り込むという在り方が一般的であった。


だからこそ駅前に商店街は付き物であったし、
駅の利用客があって初めてそれらの店舗は恩恵を受けることができた。



ところが鉄道各社のあいだで駅構内における利用者の囲い込みが盛んになっている現在は
駅周辺の店舗にとっては危機的な時期でもある。


宇都宮を例にとってみよう。

古くからの宿場町であった東武宇都宮周辺は商店や喫茶店も多く、
オリオン通りという一大ショッピングモールもある。

反して国鉄の通過駅、もっと言ってしまうと新幹線駅であるJR宇都宮駅周辺は今一つ商店が多くない。
ララスクエアという商業ビルがあるがこれはいかにも後付け型の商業施設だ。
JR駅構内には「ギョウザストリート」というものがあり宇都宮名物の餃子が駅にいながらにして楽しめるようになっている。


たとえていうなら今、全国の駅は「東武宇都宮型からJR宇都宮型へ」移行しているといえる。
重ねて言うがこれは駅周辺に店舗を構える商店にとっては窮地である。


そんな中福井には旧来の「東武宇都宮型」の商店が残っている。
エキナカもある程度充実してきてはいます)

琥珀さんもそんな店の一つ。福井駅からとても近い場所で栄枯盛衰を見守ってきたお店です。










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