【千駄ヶ谷】ぴいぷる


千駄ヶ谷はやはり谷だらけです。

そこに谷があるということはすなわち元々の平地を削った川がある、ということです。
千駄ヶ谷の谷を造り出した川は大きく分けて2つあります。
一つは明治神宮に水源がある川。
明治神宮の宝物殿ちかくには小さな池を造る川がいまも流れています。



もう一つは新宿御苑を水源とする川。こちらは通称・渋谷川と呼ばれています。

これら二つの川は千駄ヶ谷を切り刻んだのち
原宿駅の東側(東郷幼稚園のあたり)で合流します。
キャットストリートはもともと小川だったところを埋め立てて
遊歩道にしたものです。
そのため道が妙に蛇行していたり、おかしなところに手すりが残っていたりします。
それらはいずれも川があった頃のなごりです。


昔川があったところ、すなわち谷には歴史がある喫茶店が多数あります。
というのも我々日本人は水源を確保するために川の近くに住んできました。
大雨による氾濫・洪水におびえながらも絶妙の距離をとって
川と共に生活してきました。

時代がうつり、町は少しずつ姿を変えていきますが
その変容は主に台地で顕著です。
なぜなら同じビルやマンションを建てるにしても土地の高さが高いところの方が
良い景色の物件を造りだせるため再開発のし甲斐があるからです。
(わざわざ谷底に高層マンションを造る業者はいないですよね)

そのため台地と谷地を比較した場合前者の方が開発や再開発の波を受けやすく

相対的に谷地の方が町の変容が進みづらいという現象が起こります。

これを土地の高低による異相性と呼びます。

といっても谷地でも変容は確実に進むので
いつまでも変わらない景色というのはなかなか見つからないものです。

それだけにぴいぷるさんのように永く続くお店はとてもうれしく、有難い存在だと思います。













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