【栄】エーデルワイス

名古屋には他の街にはない魅力を感じます。


特別に景観が美しいとか、洗練されたデザインの建物であふれているというわけでもないのですが
街の機能がちょうどよくまとまっているように思えます。


道路の幅は歩道・車道ともに広くてゆったりしていますし、
買い物をする場所である栄や矢場町
それぞれがすぐ近くにあり移動に不便しません。


また栄という街にはにはビジネス街としての顔、
そして夜の街としての顔があり
複数の機能を備えた街として昼夜異なる表情で一日中稼動しています。


名古屋はあらゆる機能が凝縮された
「丁度良い街」として強い魅力を放っています。



ところで名古屋といえば喫茶店が数多くあり
贅を尽くしたモーニングがあることなどで有名です。




ところが名古屋の中心部の喫茶店ではモーニングの内容が
意外とオーソドックスなのはあまり知られていない事実です。

【オーソドックスなモーニング】
 ・コーヒー
 ・トースト
 ・ゆで卵




名古屋圏は住民の方々の自動車保有率が近隣の県に比べて高いこともあり
静岡県(浜松以西)、岐阜県三重県(東部)にまたがる広い勢力圏を持っています。


そんな中、郊外にある喫茶店には長年の懸念がありました。

「車の通行量は多いけれど、客さんが止まらずそのまま通過してしまう」
という課題です。


そこでわざわざ車で来てでも食べたくなるような
魅力的なメニューを提供しよう、
ということで豪華なモーニングメニューがはじまりました。


そのため名古屋中心部よりも郊外の喫茶店の方が
豪華なモーニングにありつける確率が高いです。


また喫茶店の使われ方は東京や大阪と比べて
名古屋とでかなり違いがあると言われています。


中心部・郊外を問わず名古屋の喫茶店の特徴として挙げられるのは、
東阪地域に比して食事メニューが非常に充実しているという点です。


軽食部門の代表選手・トースト類にしても
タマゴトーストやチートー(チーズトースト)のみならず
小倉あんトースト、シーチキントーストなど幅広いメニューがあります。



さらにスパゲティや丼もの、定食、お子様メニュー等で万全の構えを築き
シロノワールや黒みつ寒天ゼリーで食後のデザートもばっちりおさえています。

そう、名古屋の喫茶店は他地域におけるファミリーレストランの役割さえも含んでいるのです。


東阪その他地域では「喫茶店」が主に珈琲を飲むための店であるのに対して
名古屋の「喫茶店」は珈琲+ファミレス という位置づけにあります。


その点にうまく刺し込んで大成功したのがコメダ珈琲店です。
ここまで述べてきた名古屋流喫茶店の特徴は
コメダ珈琲店に行けば一発で理解してもらえると思います。


どのコメダの店舗にはほとんど必ず駐車場が用意されており、
4人がけ、6人がけのテーブル席も数多く用意されています。


「ご家族でどうぞ! いらしてください!」
というコメダの声なき声が聞こえてきます。


※大盛りメニューで有名な八事にあるマウンテンさんも
 この路線上にあるように思えます。


名古屋でチェーン展開している喫茶店はコンパルさんや支留比亜さんをはじめ他にもありますが
こうした「ファミリー喫茶店路線」は特にコメダさんに顕著です。

どこのお店も日曜の朝から駐車場はいっぱい、
店内は家族団らんの声でにぎやかです。


「柱時計が刻む音が響き渡る中、一人読書にふける」…
これも喫茶店の一つの在り方ですが


大勢で訪れて楽しく食事をする、そして食後には珈琲を飲む。
これもまた喫茶店の在り方なのではないでしょうか。











.