【古町】蒼紫

人間ひとりひとりに役割があるように
街にもそれぞれの役割がある。


新潟・古町の役割は「繁華街」です。
三越や地下街ローサなどがあり、
新潟の商業地としては万代シティ付近と並ぶ大きな求心力を持っています。

古町は大通りの北側と南側で役割が分かれています。



北側:古町通8〜9番町:飲食店街・夜の街エリア
南側:古町通5〜7番町:商店街などのお買いものエリア



北側のお買いものエリアは「ふるまちモール」という屋根つき商店街で、
雨の日でも雪の日でも安心してお買いものができます。

特に「ふるまちモール6」には喫茶店が林立しております。


こちらの蒼紫(パルム)さんは、ふるまちモール6の左手にあるお店です。

ふるまちモール6から少し路地に入りビルの階段を昇ればもうそこは入口です。




「パルム」という店名はオーナーの大好きな
「紫色」を意味する言葉です。


「蒼紫」で「パルム」と読むのですが、
ここ新潟で「蒼紫」と聞くとお山の蒼柴神社が連想されます。



新潟出身以外の方のために解説をしますと
新潟県の長岡に「悠久山」というなだらかな山があります。

市民プールや郷土資料館などの公共施設や、
少し前まではスキー場(1999年に閉鎖)などもあり
長らく市民の憩いの場として親しまれている場所です。
市民の方々からは通称「お山」と呼ばれています。


この悠久山の中に蒼柴神社という神社があり、
長岡藩の3代藩主だった牧野忠辰と、
彼が祖霊神(遠いご先祖の神様)として信仰していた事代主命(ことしろのぬしのみこと)が祀られています。

牧野忠辰は事代主命をとても崇敬していたため
没した後に『蒼柴大明神』という神号が贈られました。



事代主命を信仰しているとなぜ『蒼柴大明神』なのか。


ここにはちょっと込み入った事情があります。



むか〜し(神話時代)大国主命が息子である事代主命に国譲りの相談をしたところ
事代主命は国譲りを進言し、国譲りの受入れ体制ができていることをアピールするために自ら率先して海中に青い柴垣を作り、
そこで静かに過ごしたという故事に由来しています。


つまり「蒼柴(青柴)」は「事代主命」を意味する暗号になっているのです。


魚好きが高じてついにさかなと呼ばれるようになった「さかなクン」と同じ現象です。




牧野忠辰の子どもで4代長岡藩主である牧野忠寿は
父と祖霊のために蒼柴神社を建てて祀りました。


はじめ神社は長岡城内に造られましたが、
9代藩主の頃に現在の悠久山内に移されました。



長岡城は戊辰戦争明治維新前後の内乱)の際に焼失したので
もしも蒼柴神社が長岡城内にあるままだったら城とともに失われてしまっていたでしょう。


※ちなみに悠久山は元々「三官山」と呼ばれていましたが
蒼柴神社の移転を機に悠久山と呼ばれるようになりました。



蒼紫(パルム)さんおよび古町、新潟が
青柴神社のように悠久に人々から親しまれ続けることを願います。












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