【渋谷】アンカレッヂ

渋谷のアンカレッヂはもうなくなってしまいましたが
ふとしたきっかけでその在りし日の面影に触れて懐かしさが甦ります。


今思えば、あんな場所にこんなすばらしい喫茶店が隠れていたこと自体が奇跡のようで
はたしてあの喫茶店は本当にあったのだろうか、幻だったんじゃないかと思うことさえもあります。


でもそれはただの懐古趣味のまやかしであって、
過去の一時点においてアンカレッヂは確かに存在したし、
それと同時に今はもうないことも同じくらい揺るがない事実なんです。



徳島県にあるいかりや珈琲店さんにお邪魔した際に
お店の名前の由来について「船がいかりを下ろすように、どっしりと街に根を張りたい」
という考えがあったことをうかがい
いかり、アンカー、アンカレッヂといった事を連想したものでした。



また同じく高松や高知の皇帝さんにお邪魔した時には
その内装の華美極まりない点や、
いずれも県下随一の繁華街のど真ん中に鎮座ましましていることを目の当たりにして
このアンカレッヂの残影が胸のあたりをサッとよぎりました。



茶店を眺めるよりも、喫茶店を懐かしむよりも、喫茶店に思いを馳せるよりも
茶店に行きましょう。すべてはそこから始まる。



いつまでも あると思うな 親と名喫茶。














.